スコットランドヤード

About スコットランドヤード

ニュー・スコットランドヤード は、イギリスの首都ロンドンに所在するロンドン警視庁(MPS)またはその本部を示す換喩(メトニミー)の一つ。しばしば単にスコットランドヤード と呼ばれる。初代本部所在地に由来するこの名は、今日までロンドン警視庁の通称・愛称として世界中で広く認知されている。担当地域はシティ・オブ・ロンドンを除く大ロンドン全域である(シティはロンドン市警察が担当している)。名称の由来この名前はロンドン警視庁本部の初代庁舎が置かれていた場所に由来する。初代庁舎はロンドン、ウエストミンスター地区のホワイトホール・プレイス4番地(4 Whitehall Place)にあり、その庁舎の北側にある一般入口がグレート・スコットランド・ヤード(Great Scotland Yard)という通りに面していた。警視庁に用のある市民はこの入口から入ることが多かったことから、次第に一般市民に「スコットランド・ヤード」と呼ばれるようになった。1890年にロンドン警視庁本部は移転し、それ以降、移転後の庁舎は慣習的に「ニュー・スコットランド・ヤード」という愛称がつけられており、一般の間では、呼びやすいよう「ニュー」を省いて、「スコットランドヤード」と呼ばれている(日本の警視庁を桜田門と呼ぶのに似ている)。当然であるが、その名にもかかわらず、スコットランドヤードはスコットランドにはなく、スコットランドのどの領域にも警察業務の責を負っていない。沿革19世紀に始まった市民警察が前身である。1829年、ロバート・ピールが「首都警察法」を制定。正規の警察組織として首都警察が創設された。1829年に創設された首都警察の初代庁舎は、ホワイトホール・プレイス4番地 、ロンドン、ウエストミンスター地区のグレート・スコットランド・ヤード通りとホワイトホール通り、ホワイトホール・プレイス通りに囲まれた場所に建てられた。その後、組織の拡大とともに建物の数も増え、1887年には、ホワイトホール・プレイス通りの3、5、21、22番地、グレート・スコットランド・ヤード通りの8、9番地の建物が全てロンドン警視庁の建物となった 。そして本庁舎も1890年、テムズ河畔のウエストミンスター橋近く、ビクトリア・エンバンクメント通りの二代目庁舎に移転する。この庁舎は1887年から建設を始めたもので、建築家リチャード・ノーマン・ショウ設計によるクイーン・アン様式の赤レンガの建物である。これ以降、ロンドン警視庁本部庁舎は「ニュー・スコットランド・ヤード」という名前がつけられることになった。2017年現在では、この建物は「ノーマン・ショウ・ビル (The Norman Shaw Building)」と呼ばれ、議員官舎として使用されている。ちなみにこの二代目庁舎は、シャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロを含む、数々の探偵小説などにも登場するおなじみの建物である(ちなみにホームズ第1作『緋色の研究』は1881年の事件、切り裂きジャック事件は1888年で、これらは移転前の時期に当たる)。

スコットランドヤード Description

ニュー・スコットランドヤード は、イギリスの首都ロンドンに所在するロンドン警視庁(MPS)またはその本部を示す換喩(メトニミー)の一つ。しばしば単にスコットランドヤード と呼ばれる。初代本部所在地に由来するこの名は、今日までロンドン警視庁の通称・愛称として世界中で広く認知されている。担当地域はシティ・オブ・ロンドンを除く大ロンドン全域である(シティはロンドン市警察が担当している)。名称の由来この名前はロンドン警視庁本部の初代庁舎が置かれていた場所に由来する。初代庁舎はロンドン、ウエストミンスター地区のホワイトホール・プレイス4番地(4 Whitehall Place)にあり、その庁舎の北側にある一般入口がグレート・スコットランド・ヤード(Great Scotland Yard)という通りに面していた。警視庁に用のある市民はこの入口から入ることが多かったことから、次第に一般市民に「スコットランド・ヤード」と呼ばれるようになった。1890年にロンドン警視庁本部は移転し、それ以降、移転後の庁舎は慣習的に「ニュー・スコットランド・ヤード」という愛称がつけられており、一般の間では、呼びやすいよう「ニュー」を省いて、「スコットランドヤード」と呼ばれている(日本の警視庁を桜田門と呼ぶのに似ている)。当然であるが、その名にもかかわらず、スコットランドヤードはスコットランドにはなく、スコットランドのどの領域にも警察業務の責を負っていない。沿革19世紀に始まった市民警察が前身である。1829年、ロバート・ピールが「首都警察法」を制定。正規の警察組織として首都警察が創設された。1829年に創設された首都警察の初代庁舎は、ホワイトホール・プレイス4番地 、ロンドン、ウエストミンスター地区のグレート・スコットランド・ヤード通りとホワイトホール通り、ホワイトホール・プレイス通りに囲まれた場所に建てられた。その後、組織の拡大とともに建物の数も増え、1887年には、ホワイトホール・プレイス通りの3、5、21、22番地、グレート・スコットランド・ヤード通りの8、9番地の建物が全てロンドン警視庁の建物となった 。そして本庁舎も1890年、テムズ河畔のウエストミンスター橋近く、ビクトリア・エンバンクメント通りの二代目庁舎に移転する。この庁舎は1887年から建設を始めたもので、建築家リチャード・ノーマン・ショウ設計によるクイーン・アン様式の赤レンガの建物である。これ以降、ロンドン警視庁本部庁舎は「ニュー・スコットランド・ヤード」という名前がつけられることになった。2017年現在では、この建物は「ノーマン・ショウ・ビル (The Norman Shaw Building)」と呼ばれ、議員官舎として使用されている。ちなみにこの二代目庁舎は、シャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロを含む、数々の探偵小説などにも登場するおなじみの建物である(ちなみにホームズ第1作『緋色の研究』は1881年の事件、切り裂きジャック事件は1888年で、これらは移転前の時期に当たる)。

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